既往歴についてもこれまでの病気をたずねるだけではなく、以下のポイントを押さえて問診しましょう。
一過性の神経症状(TIA)
一過性の症状については意識的に聞かないと患者さん自身が忘れている場合も多いです。もしあったとすれば、いつ頃か?発症前の状況は?そのときの体位は?1回だけか複数回か?複数回あった場合はそれらが同一の症状か、異なる症状か?持続時間は?などを必ず聞きましょう。特殊な症状として一過性黒内障(片眼の視野がカーテンを降ろすように暗くなり5-6分で元に戻る)があり、これがあると同側の内頚動脈狭窄が強く疑われます。
動脈硬化の危険因子
高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙が主な脳卒中の危険因子です。いつ頃発症し、どのような治療を受けていたかも忘れずに聞きましょう。
不整脈(心房細動)、心筋梗塞、心不全症状、弁膜症の既往
これらがあれば心原性脳塞栓を疑います。
(女性の場合)習慣性流産の既往はないか?
習慣性流産の既往があれば血液凝固異常症を疑います。
微熱が持続したことがあるか?
大動脈炎症候群、血管炎症候群の可能性を考えます。
発熱の持続はないか?
感染性心内膜炎を疑い、心エコーや血液培養精査を考慮します。